限られた時間の中で多くの業務をこなさないといけない、公認会計士・税理士の仕事。
2017年以降「働き方改革」が声高に叫ばれています。会計業界も例外ではなく、長時間残業を前提としない働き方にシフトしています。そのためには、ツールをうまく活用して作業時間の短縮・効率化を図ることが重要です。
そこで今回は、普段の業務が少し楽になるツールを7つご紹介します。
なお、今回の記事は若手向けに公認会計士の監査実務・税理士の税務実務の効率化をイメージして書いていますが、他の業務でも使えるところはあると思います。
文章比較ツール difff (デュフフ)で文章チェック
1つ目に紹介するのは、difff (デュフフ)というサービスです。
初めて目にして、なんとも変わった名前だと思われた方も多いのではないでしょうか?
デュフフは、2つの文章を比較して、相違点を見つけるためのツールです。
たとえば、以下の文章をご覧ください。
例文A
「税理士試験の税法科目は法人税もしくは所得税のいずれかが必修である。そのほか、消費税、相続税などの科目を2科目選択することとなる。」
例文B
「税理士試験の税法科目は、法人税もしくは所得税のいずれかが必修となる。そのほか、消費税、住民税等の科目を2科目選択することとなる。」
例文Aと例文Bは微妙に差異があるのですが、2つをまとめてdifff (デュフフ)に投入すると、一瞬で相違点が発見できます。
例文A
「税理士試験の税法科目は法人税もしくは所得税のいずれかが必修である。そのほか、消費税、相続税などの科目を2科目選択することとなる。」
例文B
「税理士試験の税法科目は、法人税もしくは所得税のいずれかが必修となる。そのほか、消費税、住民税等の科目を2科目選択することとなる。」
この機能、地味に便利じゃないですか?
このように、difff (デュフフ)はやり方次第で大きく業務の効率化が図れるツールです。
成果物を先輩に提出されたら赤ペンで直されて帰ってきた!そんなときにデュフフを使って修正前と修正後を一瞬で比較可能!
他にも活用法はあるでしょう。
使い方は、文章をコピペしてきて「比較する」ボタンを押すだけです。特にダウンロードも不要です。楽ちんですね。利用は無料です。
お気に入りに登録しておくことをおすすめします。
Google翻訳で英語も怖くない
1つ目でマイナーなツールを紹介しましたので、2番目以降は超王道のツールを紹介していきます。
Google翻訳。有名すぎて紹介するまでもないかもしれませんが、一応紹介しておきます。
自動翻訳技術の進歩は目覚ましいものがあり、簡単な翻訳であればGoogle先生が一瞬でやってくれます。無料であり、英語以外の外国語にも対応しています。
使い方は、文章をコピペしてきて「翻訳」ボタンを押すだけです。特にダウンロードも不要です。
普段の業務で、英語の文章に触れることもあるでしょう。また、英語以外の外国語の文章に当たることもあるでしょう。そんなときはGoogle先生に頼った方が速いです。簡易的な翻訳を一瞬でやってくれますので、文章の内容を大雑把につかむには最適です。
お気に入りに登録しておくことをおすすめします。
※機密情報を含む文章をGoogle翻訳に投入する行為はやめましょうね
英辞郎 on the WEB (アルク)で英語もバッチリ
3つ目は、おすすめのオンライン英和辞書・和英辞書、英辞郎です。こちらも王道ですから多くの人が利用していることでしょう。
例文が100万超収録されており、クオリティは最高峰です。他の辞書に載っていない単語や例文も、英辞郎には載っていたりします。もともと、専門用語を収録した辞書を制作したいという語学の専門家集団がプロジェクトを立ち上げて完成したのが英辞郎ですから、各ジャンルのカバー率が高い仕上がりになっており、内容の信頼性も高いです。
公認会計士や税理士は英語に苦手意識を持っている方が多い気がしますが、こうしたツールを使っていけば心理的なハードルもだいぶ下がっていくでしょう。
英辞郎には有料版と無料版があり、簡単な調べものであれば無料版でも充分です。
お気に入りに登録しておくことをおすすめします。
また、アルクは語学の専門家集団ですので、質の高い語学教材や通信講座も提供しています。
教材については「効率化」という趣旨からは若干外れますが、定評のある教材が揃っていますので、良さそうなものがあれば利用を検討してみても良いと思います。
eRules (イールールズ)で会計基準を調べよう
eRules。こちらも王道中の王道。ベテランの方からすると「何を今さら」ですが笑
eRulesは、法令や会計基準を読めるサイトです。電子版ですので、重たい会計監査六法等を持ち歩く必要がなくなります。会計監査六法の各基準の計算設例まで載っていたりします。
大手監査法人では各自の個人貸与PCにeRulesのアカウントが付与されていることと思いますが、アドバイザリーファーム等ではeRulesのアカウントが付与されていなかったりします。
ライセンス料は、
・会計・監査用であるeRulesが1ユーザーあたり年額15,000円
・税務用であるeRules 税務が1ユーザーあたり年額6,000円
重たい基準集を持ち歩く必要もないですし、検索機能や印刷機能もついていますので、基準を調べる作業がさくさく進みます。
ライセンス販売元の株式会社インターネットディスクロージャーはこちらです。
なお、開示例を調べることができる開示Netも、同社が提供しているサービスです。
監査法人であれば各自の個人貸与PCに開示Netのアカウントが付与されていることと思います。開示例を調べるときに使うことでしょう。
1ユーザーあたり年額180,000円しますので、監査・開示業務に関与しない場合は使わないかもしれませんね。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの外国為替相場データが便利
為替レートを調べる方法はたくさんあるのですが、過去の為替レート情報を取得したい場合は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのサイトがおすすめです。
ページの下の方にある「1990年以降前月までの為替データを表示する」をクリックすると、過去の為替データをエクセルデータでダウンロードできます。取扱通貨がとても多く、通貨ごとのTTS、TTB、TTMの実績値が、日次・月次の両方で取得できる点が便利です。
金融機関の公式サイトで公表されている情報ですので、データの信頼性も高いです。
お気に入りに登録しておくことをおすすめします。
Yahoo!ファイナンスで株価をチェック
株価を調べるツールです。こちらもベタですが、Yahoo!ファイナンスで良いと思います、
公認会計士や税理士は、証券投資の専門家ではないので、シンプルな機能が揃っていて、ユーザビリティに問題がなければ大丈夫でしょう。
「時系列」で営業日別の始値、終値、出来高等を簡単に調べることができます。
より専門的に株式について調べる必要がある業務に当たった場合は、別の方法を考えましょう。
名刺アプリ Eightで名刺管理は劇的に効率化
Eightはスマホの名刺管理アプリです。
スマホで名刺を撮影すると、名刺に記載されている勤務先住所・メールアドレス・名前等を自動で読み取ってデータ化してくれるという優れものです。
読み取りの際に人間の目によるチェックが入るため、誤字脱字も非常に少ないです。
さらに、撮影した名刺データはクラウド上に保存されるため、EightにPCからログインして登録情報を編集できます。名刺に記載されたメールアドレスにメールを送るのも一瞬でできます。
しかも、ここまで至れり尽くせりの機能が揃っていて、
無料です。
(さらにハイスペックな有料版もあり、名刺データのエクスポート機能等が利用できます)
公認会計士や税理士は多くのクライアントの方と接点があるため、若手の1スタッフであっても名刺の数は相当多くなります。いただいた名刺を時間をかけずに整理したい。そんなニーズに完璧に応えるアプリがEightです。
一度名刺を撮影するだけで、名刺の管理が格段に楽になります。今や必需品と言っても過言ではないでしょう。
Android版とiPhone版があり、機能は同様です。
↓Androidの方は以下のリンクからどうぞ。↓
↓iPhoneの方は以下のリンクからどうぞ。↓
アプリを起動するとメールアドレスの入力・認証を求められますので、ご自身の普段使うメールアドレスを入力すればOKです。
以上、7つのツールを便利ツールを紹介しました。便利なツールはもっとたくさんあるのですが、今回はこのくらいにしておきましょう。
働き方改革によって求められるものは業務効率の向上です。この記事で紹介したツールが、若手の皆さんの効率化と残業時間削減に貢献できれば嬉しいです。